「薬事法(以下、「旧法」とする。)」は、平成26年11月25日に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」とする。)」に改正されましたが、当ウェブサイト内には旧法に基づく記載がございます。 ご容赦ください。
製造販売業許可を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 必要な人員がいること
(1)役員等が欠格要件に該当しないこと
(2) 必要な責任者等がいること
- 医療機器QMSの体制(人員と文書・手順・様式等)が整っていること
参考 医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)
ここでは、1の必要な人員がいることについて見ていきます。
医療機器QMSの体制についてはリンク先を確認してください。
このページの項目
- 申請者(個人事業者)や役員(法人)が欠格要件に該当しないこと
- 必要な責任者がいること(各責任者の要件)
1.欠格要件に該当しないこと
個人の場合は申請者が、法人の場合は役員が欠格要件に該当しないことが求められています。欠格要件は次のとおりです。
申請者(法人の場合は業務を行う役員)は以下の1~5に該当しないこと。(薬事法12条の2第3号、第5条第3号)
- 法第75条第1項の規定により許可を取り消され、取り消しの日から3年を経過していない者。
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者。
- 1および2に該当する者を除くほか、この法律、麻薬および向精神薬取締法、毒物および劇物取締法その他薬事に関する法令またはこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者。
- 麻薬、大麻、あへんもしくは覚せい剤の中毒者。
- 心身の障害により医療機器製造販売業者の業務を適正に行うにあたって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者。
問題になることは少ないと思います。申請に際しては、申請者や役員の皆さんに所定様式の「診断書」を病院でとっていただきます。
2.必要な責任者等がいること
製造販売業者は、申請に先立ち、次の責任者を置く必要があります。
ア 管理監督者(QMS省令第2条第16項)
製造販売業者の品質管理監督システムに係る業務を最上位で管理監督する役員等がなります。
イ 管理責任者(QMS省令第16条)
製造販売業者の役員、管理職の地位にある者その他これに相当する者がなります。品質管理監督システムの実施及び維持の責任者です。
ウ 総括製造販売責任者(薬機法第23条の2の14QMS省令第71条)
医療機器の製造管理、品質管理、製造販売後安全管理を行う統括責任者です。
資格要件があります(薬機法施行規則114条の49)。後掲参照。
エ 国内品質業務運営責任者(QMS省令第72条)
国内の製品の品質を管理する業務(品質管理業務)の責任者です。品質管理の業務に従事した経験3年以上が求められています。後掲参照。
オ 安全管理責任者(GVP省令第4条)
製造販売ご安全管理業務の責任者です。第1種のみ3年以上の経験が求められています。後掲参照。
参考 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(GVP省令)e-Gov法令検索
製造業の
責任技術者に求められる要件については、
こちらのページをご覧ください。
総括製造販売責任者の要件について
総括製造販売責任者の要件は以下のとおりです。
第1種/第2種 医療機器製造販売業 の 総括製造販売責任者(薬機法施行規則114条の49第1項)
次の各号のいずれかに該当する者
- 大学等で物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した者
- 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した後、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者
- 医薬品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に五年以上従事した後、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う講習を修了した者
- 厚生労働大臣が前3号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
第3種 医療機器製造販売業 の 総括製造販売責任者(薬機法施行規則114条の49第2項)
次の各号のいずれかに該当する者
- 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した者
- 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者
- 厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
体外診断用医薬品 の 総括製造販売責任者(薬機法第23条の2の14第1項)
薬剤師
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国内品質業務運営責任者の要件
医療機器の製造販売業者は品質管理業務にかかる品質保証責任者をおかなければなりません。特に資格や学歴に関する要件はありませんが、以下を要件を満たす必要があります。
- 常勤であること。
- 品質管理業務を適正かつ円滑に遂行できる能力がある者。
- 品質管理業務その他これに類する業務に3年以上従事していた者。
- 医療機器の販売に係る部門に属する者でないこと。
- その他国内の品質管理業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれのない者
総括の要件を満たす方は学歴で満たせる場合が多いのですが、国内品責の従事経験を満たす要件を充足できないことが多いので、要注意です。
品質管理業務その他これに類する業務
(平成27年9月1日 薬食監麻発0901第1号:厚労省の通知 PDF へのリンク)
- 第1種医療機器製造販売業者は、以下の1から5までに掲げる者
- 第2種/第3種医療機器製造販売業者/体外診断用医薬品製造販売業者は、以下の1から6までに掲げる者
- 管理監督者
- 管理責任者
- 医療機器等総括製造販売責任者
- 旧法下における品質保証責任者、製造管理者及び責任技術者
- 製造販売業者又は製造業の製造管理又は品質管理に係る業務に従事した者
- ISO 9001又はISO 13485の認証を受けた事業者等(製品の製造販売又は製造を行うものに限り、サービス提供等のみを行うものを除く。)に係る品質マネジメントシステムの継続的改善又は維持に係る業務に従事した者
- 「3年以上」の計算は自社・他社を問わず該当業務の合計年数で可。
- 中国のCCC認証に基づく品質管理業務はここでいう経験には算入できませ
(2020年11月大阪府薬務課に照会済み)
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安全管理責任者
医療機器の製造販売業者は安全管理業務にかかる安全管理責任者をおかなければなりません。以下を満たす必要があります。
第1種医療機器製造販売業許可の場合(GVP省令第4条第2項)
- 常勤であること。
- 安全確保業務を適正かつ円滑に遂行できる能力がある者。
- 安全管理業務その他これに類する業務に3年以上従事していた者。
- 医療機器の販売に係る部門に属する者でないこと。
- その他安全確保業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれのない者
- 「3年以上」の計算は自社・他社を問わず該当業務の合計年数で可。
第2種・第3種医療機器製造販売業許可の場合
(GVP省令第13条第2項、第15条に基づく第13条第2項を準用)
- 常勤であること。
- 安全確保業務を適正かつ円滑に遂行できる能力がある者。
- 販売に係る部門に属する者でないこと。
- その他安全確保業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれのない者
医療機器QMS/GVPの体制について